ビジネスや面接において、座り方や姿勢はその人を表す大事な要素となります。
自分なりにきちんと座っているつもりでも、だらしなく見えてしまうことがあることを理解しておきましょう。
では、どうすれば「きちんと座っている」と言えるのでしょうか?
ここでは、椅子や和室(座布団)での座り方について、正しい方法を紹介します。
左側から座る
職種にもよりますが、社会人の多くは椅子に座って作業をしますよね。面接であれば、ほとんどが椅子に座って受け答えをすることになります。
失礼のないように椅子に座ればいんでしょ?と思うかもしれませんが「きちんとした座り方」というものがありますので、覚えておいて損はありませんよ。
まず、椅子の場合ですが、机に収納されているのであれば静かに引いて椅子の左側に立ちます(面接のように椅子単独の場合はもちろん引きません)。
出典:ヒンシュクを買わないための大人のマナー早わかり大辞典 現代ビジネス研究班[編]著/河出書房新社
①椅子の左側へ立ち、左足を1歩前へ出す
②右足を椅子の正面に運ぶ
③右足の横に左足を運び、両足を揃える
④静かに座る
③の段階で、太ももの裏が椅子に当たったら、ゆっくり腰を下ろしていき椅子に座りますが、このとき勢いよくドサッとするのはNG。
立つ際も、椅子の前に立って、同じく3拍子で椅子の左側に立ちます。
慣れないうちは、ぎこちなくなるかもしれませんが、スムーズにいくようになれば、きれいな座り方をマスターできますよ。
背もたれに寄りかからない
出典:ヒンシュクを買わないための大人のマナー早わかり大辞典 現代ビジネス研究班[編]著/河出書房新社
きちんと正しい方法で椅子に座ることができても、姿勢が悪ければ意味がありません。
椅子での姿勢は男女で異なり、男性は両膝とつま先の幅は拳2つに分開け、両手は軽く握る、もしくは指先を揃えてハの字にして太ももの真ん中に置くとよいでしょう。
女性の場合は、両手を重ねて両太ももの真ん中に置き、両足は閉じて、膝、つま先、かかとをしっかり合わせます。このとき、足はかかとまで床に付けるようにします。
男女とも、背筋を伸ばし、背もたれには寄りかからないように。
足を組まない
先ほどの図にも載っていますが、椅子に座るときには足を組まないのがマナー。
クセで足を組む人がいますが、生意気で偉そうに感じてしまいますよね。電車などで、隣の人が足を組んでいて「迷惑だな」「邪魔だな」と思ったことはありませんか?
それと一緒で、社内で足を組んでいて椅子が後ろに飛び出していたら、その人の後ろを通るときに迷惑です。
後ろが通路になっていなければいいのかというと、そうではなく、そもそも見た目がいいものではありません。
日本人の体型も変わってきて、足を組んでもきれいに見える人も増えてきましたが、最後まで組めずに足の裏を見せるくらいしかできない人は見ていて恥ずかしささえ覚えませんか?
足を組むことで、O脚やX脚にもなりやすく骨盤の歪みから腰痛の原因にもなりますし、やらなくていいものはやらないに限ります。
男性は両手をテーブルの上へ
ここまで椅子に座るまでと、姿勢について紹介しましたが、テーブルがあるケースについてお伝えします。
男性は手を軽く握ったままでも問題ありませんが、テーブルに手首から先を端に乗せるようにします。しかし、肘を付いてしまうのはマナー違反。
テーブル上に手を乗せるのは、「自分は武器を隠し持っていません」という証で、これは古くから言われてきたとされています。
会議や打ち合わせではもちろんのこと、食事のときにも手をテーブルに乗せておくようにします。
ナイフやフォークが用意されているときは、その外側に手を置き、食事をしていなくても乗せるように。
低いソファーでの注意点
それでは、椅子ではなくソファーだった場合はどのように座ればいいのでしょうか?
椅子よりも座面が低いソファーでは、勢いよく腰をかけてしまいがちですが、これはよくない。ゆっくり腰を下ろしていき、まず浅めに座ってください。
それから奥に向かって体を移動しながら深く腰をかけます。
女性であれば、スカートを履いていることもあると思いますので、下着が見えないように両膝は必ず閉じて足を揃えるように。
揃えた足は、少し横に流すようにすれば膝の角度も落ち着き見えることはないでしょう。
慣れていないと、時間が経つにつれ足が開きがちですが、ここは何としても閉じたままでいるようにしましょう!
畳に座るときのマナー
出典:ヒンシュクを買わないための大人のマナー早わかり大辞典 現代ビジネス研究班[編]著/河出書房新社
和室に通された場合には、椅子やソファーではなく畳に腰を下ろすことになります。その際には、以下の順序で座るとスムーズで美しく座ることができます。
①手のひらを太ももに置き、片方の足を半歩後ろに引く
②片膝を静かに下ろして、畳につける
③もう片方の膝を畳につける(両つま先立ちのまま)
④両膝を揃えて正座する
ドサッと座るのは相手にも失礼ですし、態度が悪く見えてしまうので厳禁ですよ。これは、和室や畳に慣れていないとう理由は通じませんのでご注意を。
出典:nanapi
座布団が用意されている場合でも、いきなり座布団に座ってはいけません。手前で軽く座ってから、膝でにじりよるようにして座布団の上に座ります。
座布団の上に立って、「よっこいしょ」と座るのは最悪ですので、絶対にしないように。
正座は背筋に意識を
正座では、姿勢が悪いと椅子に座っているときよりも目立ってしまうので注意が必要です。
正座の基本は、あごを引いて上体は上から引っ張られているような感覚を意識。
背筋をピンと伸ばし、前屈みにはならないように。女性は膝をしっかりと閉じ、男性は拳1つか2つ分開けるとよい。
現代の生活様式が和室から洋室になってきたこともあり、正座が苦手だという人も増えてきているようですが、そんな言い訳は通用しません。
勝手に足を崩すのは厳禁で、目上の人が足を崩したり「どうぞ足を崩してください」「どうぞ楽にしてください」などと声をかけられたりするまでは我慢するしかありません。
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まとめ
椅子に座るのは簡単なようで奥が深く、姿勢の善し悪しが一目で分かってしまうもの。
腰をかけるにも正しい順序や、失礼にあたる行為というものがあり、知らないでいると気づかないうちに相手に不快な思いを与えかねません。
椅子・ソファー・座布団、どんな部屋に通されてもさりげなく上品に座ることができれば、あなたの印象もかなりよく映ることでしょう。